はじめに
自分は新卒入社した会社で太陽光の仕事を。その間に電験三種やエネルギー管理士、電気工事士などの資格を取り、転職して精密機器メーカーの工場で電気担当として働いていました。別敷地で近接した特高受電の工場を複数担当。
電気主任技術者、電気担当がどんな仕事をしているか、ほんの一部ではありますが、過去に体験したことを端的にポップにまとめました。
電験を取ったあと、どんな実際の業務をイメージするために少しでもお役に立てたら幸いです。
電験をとるまでにやったことは以下の記事。

電気・エネルギー担当の一日
7:30 出社
勤明けのビルメンさんから報告書をもらう。何かしら8件くらいは異常が出てる。
自分の専門以外にも、連絡窓口は担当制になっていて、それぞれ対応方針を考える。
「止まってるアラーム=放置」「鳴ってるアラーム=確認して対応」
実際は、異臭とか照明切れとか、そういうのもたくさんある。
基人災や火災につながるもの、生産に関わるもの、以外は優先順位を下げる。
PHSに着信がたまってるが、出ると罵声を浴びるので出ない。出てしまったら「電波悪いんで…」といって言って切る。
午前中:トラブルをさばく
トラブルを捌きつつ、新しいタスクの検討も始める。
たとえば、「新しいラインに瞬停補償装置を入れたいから検討して」とか。
図面から負荷を拾い、ケーブルルートを確認し、仕様書を起こす。
資料は残ってないので、生きる伝説の先輩に聞くしかない。
現場を見て、仕様を作って、見積もりを取って、説明資料を作って…
上に説明するときは「論理」と「数字」が命。抽象的なことは通じない。
止まらないウォシュレット
そんな中、PHSに「トイレのうんこが止まらない」という報告が来る。
うんこって口に出す人、久しぶりに聴いたな、と反芻する。
スッポンを片手に、他人の排泄物と向き合う。
本社は「内製化命」なので、外注は許されない。TOTOのカタログで部品を調べて交換。
壊れたものが資産登録されていると面倒なので、ひとまず秘密の部屋に隠しておく。たまに役立つ。
13:00ごろ:エネ管業務と本社対応
「4月の消費電力が上がっている理由と対策を説明して」と本社から連絡。
わかるわけないので「○○ラインの稼働率増に伴うもの(内訳:生産設備・熱源など)」とそれっぽく返す。
5月になると冷房が動き出して、デマンドも上がる。契約電力を超えないよう、大型機器を止めに行く。
止めても間に合わなさそうなときは、「もうもちこたえられません」とだけ報告。
理解のある上司なら「そうか」で終わるが、そうでない場合は資料も必要。
夕方〜夜:年次点検と深夜残業
年次点検が近づくと、準備と調整が忙しくなる。これは別の記事で詳しく書く予定。
18:00には周囲の人が帰っていく。20:00まで残業して、夜間作業のためにビルメンさんのカードで建屋に再入場。
24:00ごろ、夜勤のビルメンさんに外へ出してもらって終了。
この時点で朝の記憶はほぼない。
要点まとめ
- 電気担当は、技術も大事だけどコミュニケーションが苦手だとけっこうしんどい
- 逆に、周囲が「あの人はああいう人」と思ってくれれば、突破型の人も案外やれる
- トラブルが起きないのが前提なので、基本的には「怒られること」からスタート。
- 体も頭も動かすのが得意な人は向いてるかも。しゃべれるとなおよし
- 流行り廃りがない分野で、常に人手不足気味。転職やキャリアアップのチャンスも多い
- GAFA、コンサル、同業他社に転職した同僚も多い
- 高尚な仕事ではないけど、「こういうのがいい」って思える人にはちゃんと向いてる
どこまでやるか、どこまでやらないか、自分で決めれる感じかな、とも思います。
さいごに
そんな感じで、怒られたり笑ったり白目むいたりしがら電気担当としての毎日をやってました。自分はわりと楽しめていた方だと思います。
次回は、年次点検の話とか、もっと現場っぽいところを掘り下げて書いてみようと思います。興味があれば、また読んでもらえたらうれしいです。
おすすめリンク
◽️日本エネルギー管理センターさんのチャンネル
とてもわかりやすいです。DSとかVCBとかPASとか、とてもわかりやすく解説されてます。
◽️ピノ電気工事さんのチャンネル
めちゃくちゃわかりやすいかつ網羅的です。
コメント